この記事を読むと、SPIの「一定回数だけ右か左に動いて、最終位置から移動パターンの総数を求める」タイプの問題を、書き出しなしで解けるようになります。多くの就活生がこの問題でつまずくのは、いきなり「何通りあるか」を数えようとしてしまい、右に動いた回数と左に動いた回数がそれぞれ何回なのかを先に確定させていないことが原因です。
なぜこの問題で時間切れになるのか
「右か左に1mずつ動く」という問題は、条件を整理しないまま数えようとすると、2の8乗(256通り)ものパターンをイメージすることになり、手が止まってしまいます。実はこの問題は、「右に何回、左に何回動いたか」を連立方程式で先に確定させてしまえば、あとは組み合わせの公式1回で終わるという性質を持っています。
右か左に動く問題、パターンを書き出そうとしたら多すぎて絶対に本番で間に合わない…
実は書き出す必要はないんです。「合計回数」と「最終位置」から連立方程式を1本立てるだけで、あとは組み合わせの公式に当てはめるだけで答えが出せますよ!
右への回数をx、左への回数をyとおくと、「指令の合計回数」がx+y、「最終位置」がx-yという2つの式になります。この連立方程式を解いてx・yの値を確定させれば、あとは「合計回数のうち、どちらか一方を何回選ぶか」という組み合わせ(nCr)の問題に変わります。
記事を読む前に、今の「場合の数」の実力を測ってみませんか?
これから紹介する「連立方程式で先に確定させる」コツを身につける前に、まずは現状の解答スピードを診断してみましょう。
無料のSPI場合の数模試で今の実力を診断【例題】8回移動して右へ4mの位置にいたときのパターン数
次のような問題を考えてみましょう。
あるロボットが直線上を移動する実験をおこなう。1回の指令につき、「右へ1m」または「左へ1m」のどちらか一方に必ず動く。この指令を計8回出した結果、スタート地点から見て「右へちょうど4m」の位置にロボットがいた。このときの移動プロセスのパターンは何通り考えられるか。
選択肢は「8通り・56通り・28通り・70通り・16通り」の5つです。この問題を、次の3ステップで解いていきます。
- 右への回数をx、左への回数をyとして、2つの式を立てます。指令の合計回数から 、右を正の向きとしたときの最終位置から という連立方程式になります。
- この連立方程式を解きます。2つの式を足すと なので 。 に を代入すると です。
- あとは「8回のうち、どの6回が右(またはどの2回が左)だったか」を数えるだけなので、組み合わせの公式を使います。
よって、移動パターンは 28通り です。実際にパターンを1つずつ書き出す必要はなく、連立方程式でx・yを確定させた時点で、答えはほぼ出たようなものです。
条件を式に整理すると、次のように対応しています。
| 項目 | 日本語での意味 | 式 |
|---|---|---|
| 指令の合計回数 | 右への回数(x)+左への回数(y) | |
| 最終位置(右を正とする) | 右への回数(x)-左への回数(y) |
ポイント
「右か左に動いて最終位置が指定される」問題は、右への回数x・左への回数yについての連立方程式(合計回数の式・最終位置の式)を先に解き、その後「合計回数のうちどちらかを何回選ぶか」という組み合わせ(nCr)に変換するだけで解けます。
なぜ「先に連立方程式」を解くと時短になるのか
この問題が難しく感じられる一番の理由は、「右に動くタイミングと左に動くタイミングの組み合わせ」を直接イメージしようとしてしまうことです。8回のうちどこが右でどこが左かは無数のパターンがあるように見えますが、実際に数えるべきなのは「右が6回・左が2回」という確定した内訳が決まったあとの並び方だけです。
先に連立方程式でx・yを確定させることで、「何通りか分からない移動パターンの問題」が「8個の枠のうち2個を選ぶだけの組み合わせの問題」に変わります。この変換さえできれば、あとは公式に数字を当てはめるだけなので、暗算に近いスピードで答えが出せます。
もう1問:合計9回・左へ3mのパターンでも同じ手順が使える
同じ考え方が使えることを、条件を変えた問題で確認してみましょう。
あるロボットが直線上を移動する。1回の指令につき「右へ1m」または「左へ1m」動く。この指令を計9回出した結果、スタート地点から見て「左へちょうど3m」の位置にロボットがいた。このときの移動プロセスのパターンは何通り考えられるか。
先ほどと同じ3ステップで解きます。
- 右への回数をx、左への回数をyとすると、合計回数から 。今度は左が3m多い状態なので、 という式になります。
- 連立方程式を解くと、、 です。
- 9回のうち、左への回数(6回)を選ぶ組み合わせを求めます。
よって、移動パターンは 84通り です。合計回数や最終位置の表現(「右」か「左」か)が変わっても、手順は完全に同じであることが分かります。
| 例1(今回の問題) | 例2(応用問題) | |
|---|---|---|
| 指令の合計回数 | 8回 | 9回 |
| 最終位置 | 右へ4m | 左へ3m |
| 連立方程式 | ||
| 解 | ||
| 組み合わせ計算 | ||
| 答え | 28通り | 84通り |
覚えておくべきポイント
合計回数や最終位置の表現(右/左、正/負)が変わっても、①合計回数の式、②最終位置の式、③連立方程式を解いてx・yを確定、④組み合わせの公式に当てはめる、という4ステップの手順は共通です。パターンを暗記するのではなく、この手順そのものを覚えておきましょう。
「本番で数字や表現が変わって焦った」経験はありませんか?
この問題タイプは、練習では「右へ○m」のパターンに慣れていても、本番で「左へ○m」に表現が変わったり、合計回数が奇数になったりすると、同じ手順を使えばよいと気づけずに固まってしまうことがあります。公式やパターンを丸暗記するのではなく、「連立方程式で確定させてから組み合わせに変換する」という手順そのものを理解しておくことが、初見の表現にも対応できる力になります。
手順は分かったけど、本番で連立方程式を立てる時に符号を間違えないか不安…
その不安を解消するには、右・左どちらの表現にも慣れておくのが一番です。Webテストナビは、間違えた問題や自信のなかった問題を忘れかけた頃に自動で再出題する仕組みで、本番でもどちらの表現が出ても迷わず式を立てられる状態を作ります。
- 忘却曲線に基づく自動復習機能(間違えた問題を最適なタイミングで再出題)
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よくある質問(Q&A)
Q. 8C6と8C2が同じ答えになるのはなぜですか?
A. 8個の中から「右に動いた6回」を選ぶことと、「左に動いた2回」を選ぶことは、同じ組み合わせを裏表から見ているだけだからです。6回を選べば残りの2回は自動的に決まるため、8C6=8C2が成り立ちます。一般に nCr=nC(n-r) が常に成り立つので、計算する際は数字が小さくなる方を選ぶと時短になります。
Q. なぜ「順列」ではなく「組み合わせ」を使うのですか?
A. 今回求めたいのは「8回のうち、どのタイミングが左だったか」という“位置の選び方”であり、選んだあとにさらに並べ替える必要がないからです。1回目・2回目…8回目という順番はすでに固定されているため、並び替えを考える順列(P)ではなく、単純に位置を選ぶだけの組み合わせ(C)を使います。
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